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論文

Experimental characterization of high-energy component in extracted pulsed neutrons at the J-PARC spallation neutron source

原田 正英; 勅使河原 誠; 大井 元貴; 及川 健一; 高田 弘; 池田 裕二郎

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 1000, p.165252_1 - 165252_8, 2021/06

 被引用回数:2 パーセンタイル:33.7(Instruments & Instrumentation)

本研究では、箔放射化法を用いて、J-PARC核破砕中性子源からのパルス中性子ビームの高エネルギー成分を測定した。箔は、0.3MeVから79.4MeVまでのしきいエネルギーを持つAl, Au, Bi, Nb, Tmを用いた。実験はNOBORUで行われ、箔は減速材から13.4mの位置で照射された。照射実験への応用のために、高エネルギーの中性子スペクトルを変化させるB$$_{4}$$Cスリット, Pbフィルター、それらがない場合の3ケースでも反応率を測定した。JENDL-3.2評価済みファイルとJENDLドシメトリーファイルを用いたPHITSコードによる計算データと比較をした。計算値と実験値の比(C/E)を比較したところ、エネルギー依存性がみられ、しきいエネルギーが100MeVまで増えるにつれ、C/Eは減少することが分かった。すべてのC/Eは1.0$$pm$$0.2の範囲にあることを確認した。このことから、高エネルギーの中性子計算データは、NOBORUユーザーの実験データの分析に適切であることを示した。

論文

Measurement of prompt neutron decay constant with spallation neutrons at Kyoto University Critical Assembly using linear combination method

方野 量太; 山中 正朗*; Pyeon, C. H.*

Journal of Nuclear Science and Technology, 57(2), p.169 - 176, 2020/02

 被引用回数:4 パーセンタイル:40.43(Nuclear Science & Technology)

加速器駆動システム(ADS)等の未臨界体系の未臨界度測定手法として、未臨界度と相関のある即発中性子減衰定数(以下、$$alpha$$とする)を、複数の中性子検出器の測定結果を用いて推定する線形結合法を提案し、過去には京都大学臨界集合体(KUCA)においてDT中性子源を用いた検証を行った。本検討では、核破砕中性子源を用いた検証を行い、提案手法が中性子源に対しても頑健に$$alpha$$の測定が可能であることを示した。

報告書

1MW核破砕中性子源の低温水素システム用アキュムレータの改良

麻生 智一; 達本 衡輝*; 大都 起一*; 川上 善彦*; 小守 慎司*; 武藤 秀生*; 高田 弘

JAEA-Technology 2019-013, 77 Pages, 2019/09

JAEA-Technology-2019-013.pdf:5.59MB

大強度陽子加速器施設(J-PARC)物質・生命科学実験施設において1MWの陽子ビームで駆動する核破砕中性子源では、水銀ターゲットで発生した高速中性子を冷中性子に冷却するために、液体水素(1.5MPa, 20K以下)を3基のモデレータに供給し、そこで発生する核発熱(3.8kW)を強制方式で冷却する低温水素システムを備えている。この低温水素システムでは、核発熱に伴う系内の圧力変動を低減するためにベローズ構造で圧力を吸収するアキュムレータを採用していることが特徴である。しかしながら、初期に使用したベローズで不具合が生じたため、高耐圧, 長寿命のアキュムレータが必要となった。厚肉プレートによる高耐圧性を有する溶接ベローズ(内ベローズ)の要素技術開発を行い、最適条件を見出すことができた。内ベローズの試作機を製作し、2MPaの圧力印加を繰り返す耐久試験により、設計寿命(1万回以上)を満たすことを確認した。また、その製作法による内ベローズを導入したアキュムレータの組立時、溶接歪等によって内ベローズの機能性や寿命に影響しないように、水平・垂直度を0.1$$^{circ}$$以内に抑えた。改良したアキュムレータは既に約25,000時間(繰り返し伸縮約16,000回(運転中40mm伸縮の設計寿命は50万回))の運転を実現できており、2019年1月現在、500kWビーム出力で運転中である。2018年7月には932kWビーム入射した運転を行い、アキュムレータの圧力変動抑制機能が設計どおりの性能を有することを確認し、今後の高出力において安定運転ができる見通しを得た。

論文

Experimental validation of the brightness distribution on the surfaces of coupled and decoupled moderators composed of 99.8% parahydrogen at the J-PARC pulsed spallation neutron source

原田 正英; 勅使河原 誠; 大井 元貴; Klinkby, E.*; Zanini, L.*; Batkov, K.*; 及川 健一; 藤 暢輔; 木村 敦; 池田 裕二郎

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 903, p.38 - 45, 2018/09

 被引用回数:10 パーセンタイル:70.71(Instruments & Instrumentation)

At the J-PARC pulsed spallation neutron source, liquid hydrogen moderators composed of 99.8% parahydrogen associated with light-water premoderator have been providing high intensity cold and thermal neutron beams. In the design stage, simulations have shown not only high total neutron intensity in the coupled moderator but also a local neutron-brightness increase at the edges. The edge-effect-brightness increase is also exploited in the design of the European Spallation Source (ESS) moderators, which are based on 99.8% parahydrogen, but thin (thickness: 3 cm) to enhance the neutron brightness. In this study, the spatial distribution of the neutron brightness at the surface of the coupled moderator in the J-PARC pulsed spallation neutron source was directly measured with the pinhole geometry to validate the calculated edge-brightness enhancement. The brightness distribution at the moderator surface was clearly observed as predicted by a Monte Carlo simulation, proving the validity of the simulation tools used in the design-optimization process of the J-PARC and ESS moderator.

論文

Implementation of a low-activation Au-In-Cd decoupler into the J-PARC 1 MW short pulsed spallation neutron source

勅使河原 誠; 池田 裕二郎; 大井 元貴; 原田 正英; 高田 弘; 柿白 賢紀*; 野口 学*; 島田 翼*; 清板 恭一*; 村島 大亮*; et al.

Nuclear Materials and Energy (Internet), 14, p.14 - 21, 2018/01

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

J-PARCの1MWパルス中性子源では、中性子パルスの成形に用いるデカップラとして、異なる共鳴吸収材から構成し、1eVと高い中性子吸収エネルギーを有するAg-In-Cd合金を開発した。このデカップラによりパルス成形された中性子は、粉末解析の実験装置において最高分解能を更新したが、中性子照射によって生成される長半減期の108mAgの放射能が高いため使用済み機器の取扱においては短所であった。そこで、放射能を大幅に減らす代替材としてAuを使用したAu-In-Cd材の開発を行ってきた。しかしながら、実機のモデレータ・反射体に実用化する上で、大型のAu-In-Cd板と構造材のA5083材とをHIP接合し十分な接合強度を得ることが課題であった。本研究では、Au-In-Cd材の表面状態、大型化した熱容量の変化による接合部界面温度に関わる検討を行い、実規模大のHIP接合において、最適接合条件を見つけることができた。この結果、反射体へのAu-In-Cd材の実用化に成功し、中性子性能を損なわず、大幅な放射能低減の見通しを得た。

論文

On-line subcriticality measurement using a pulsed spallation neutron source

岩元 大樹; 西原 健司; 八木 貴宏*; Pyeon, C.-H.*

Journal of Nuclear Science and Technology, 54(4), p.432 - 443, 2017/04

 被引用回数:20 パーセンタイル:88.37(Nuclear Science & Technology)

To investigate the applicability of the pulsed neutron source (PNS) method using a pulsed spallation neutron source (PSNS) for an on-line subcriticality monitoring system for an accelerator-driven system (ADS), a subcriticality experiment is conducted using Kyoto University Criticality Assembly (KUCA) in combination with the fixed-field alternating gradient (FFAG) accelerator. Reactivity values obtained from different traditional techniques, the area-ratio method and the $$alpha$$-fitting method, are discussed with respect to the applicability to on-line subcriticality monitoring. The result shows that the area-ratio method robustly and accurately monitors subcriticality in shallow subcritical states of negative reactivity of up to a few dollars; however with this method, it faces problems with temporal fluctuations, spatial dispersion, and sensitivity to the proton-beam current with increasing depth of subcriticality. As a complement to this method, it is shown that the $$alpha$$-fitting method alleviates such problems in deep subcritical state. Moreover, a proposed fitting technique using the maximum-likelihood estimation method based on the Poisson distribution is robust enough to be applicable for measuring negative reactivity of up to roughly nine dollars.

論文

Progress of target system operation at the pulsed spallation neutron source in J-PARC

高田 弘; 直江 崇; 甲斐 哲也; 粉川 広行; 羽賀 勝洋

Proceedings of 12th International Topical Meeting on Nuclear Applications of Accelerators (AccApp '15), p.297 - 304, 2016/00

J-PARCでは、パルス核破砕中性子源の水銀ターゲットを1MWの設計ビーム強度で運転するために継続的に様々な努力を行ってきた。1つの技術的な進歩は、3GeVの陽子ビームが25Hzの繰り返しで入射される際にターゲット容器の尖頭部に誘起されるキャビテーション損傷の低減である。水銀ターゲットへの微小気泡注入の性能を向上させた結果、300kWの陽子ビームで2050MWhの運転を行った後で、ターゲット容器の内側表面に顕著なキャビテーション損傷がないことを観測した。これとは別に、ターゲット容器を交換する際に放出される気体状の放射性物質、特にトリチウムの量を抑制においても進展があった。ターゲット容器交換の際、ターゲットシステムが開放されるときに、その内部の空気を気体廃棄物処理設備に引き込む手順を加えることによって、スタックからのトリチウム放出を抑制した。例えば、2050MWhの運転後の場合、放出されたトリチウム量は12.5GBqであり、これば予測値の5.4%に留まった。このような進展に基づき、2015年4月から核破砕中性子源の運転ビーム強度は500kWに増強された。

論文

Neutronic performance of rectangular and cylindrical coupled hydrogen moderators in wide-angle beam extraction of low-energy neutrons

甲斐 哲也; 原田 正英; 勅使河原 誠; 渡辺 昇; 鬼柳 善明*; 池田 裕二郎

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 550(1-2), p.329 - 342, 2005/09

 被引用回数:18 パーセンタイル:74.82(Instruments & Instrumentation)

結合型モデレータに対する多数の中性子ビームの要求に応えるため、中性子ビームの取出角度を大きくする必要がある。このとき、低エネルギー中性子の時間積分、及びパルスピーク強度を最大とするため、中性子特性計算を行った。中性子強度の合計はビーム本数の増加に伴って増加したが、それぞれの中性子ビームの強度は、反射体に設けられたビーム取出孔に起因する反射体欠損により減少した。直方型モデレータにおいて取出角度が大きな場合(法線から25度)、その方向へ向かう低エネルギー中性子の空間分布を計算すると、大きく強度が減少している領域が生じていることがわかった。代案として提案した円筒型モデレータを用いることにより、強度減少の見られる領域を縮小することができた。さらに円筒型モデレータについて、時間積分,パルスピーク強度,パルス幅,パルス減衰特性をモデレータ直径の関数として計算した結果、直径140mmが最適であることがわかった。両者の比較の結果、円筒型の方が、時間積分強度とパルス減衰特性は同等で、高いパルスピーク強度,狭いパルス幅,平坦な角度依存性の中性子ビームを供給できることがわかった。両者のパルス特性の違いについての説明も行っている。J-PARC核破砕中性子源において、円筒型の結合型モデレータを採用することとした。

論文

Improved cavitation resistance of structural materials in pulsed liquid metal targets by surface hardening

Koppitz, T.*; Jung, P.*; M$"u$ller, G.*; Weisenburger, A.*; 二川 正敏; 池田 裕二郎

Journal of Nuclear Materials, 343(1-3), p.92 - 100, 2005/08

 被引用回数:7 パーセンタイル:44.84(Materials Science, Multidisciplinary)

圧力波による構造材料のキャビテーション損傷は、高出力パルス中性子源における寿命を決定する因子の一つである。損傷を低減する方法として2つの方法を提案している。一つは、ガスバブル注入法であり、他方は材料の表面硬化法である。8$$sim$$13%Crのマルテンサイト鋼の表面硬化が電子線及びレーザー加熱処理、さらにプラズマ窒化により行われ、処理条件の影響について調べられた。熱処理では600Hv硬度、一方窒化では1200Hvが得られた。12%Cr鋼がパルス陽子入射あるいは機械的パルス入射条件下における水銀環境下で試験された。表面損傷が光学顕微鏡,レーザー顕微鏡,電子顕微鏡で観察され、硬化処理による損傷低減化が確認できた。

論文

Chopper mode of Drabkin energy filters for pulsed neutron sources

山崎 大; 曽山 和彦; 海老澤 徹*; 武田 全康; 丸山 龍治*; 田崎 誠司*

Physica B; Condensed Matter, 356(1-4), p.174 - 177, 2005/02

 被引用回数:1 パーセンタイル:6.21(Physics, Condensed Matter)

Drabkin型エネルギー・フィルターをパルス中性子用高速中性子チョッパーとして使用する方法を提案する。Drabkin型フィルターは共鳴波長$$lambda^*$$の中性子のみスピンを反転させ、さらにスピン反転した成分のみ取り出すことにより中性子の単色化を行う。この共鳴波長を高速で変化させると、中性子パルスの波長と共鳴波長が一致する瞬間のみ中性子を取り出すことができる。これは全波長パルス整形モードよりもさらにパルス幅を狭く整形することが可能である。実験の結果、Drabkin型フィルターを定常で駆動したときのビーム取り出し時間1.08msに対し、チョッパーモードでは0.21msまで短縮することができた。今後、より高分解能のDrabkinフィルターを用いることでも取り出し時間をずっと短縮することができると予想される。

論文

1-MW pulse Spallation Neutron Source(JSNS) of J-PARC

池田 裕二郎

Neutron News, 16(1), p.20 - 24, 2005/01

本稿ではJ-PARC計画で中性子利用施設として建設される1-MWパルス核破砕中性子源について全体概要を示した。ターゲット,モデレータ,反射体,遮蔽などの主要機器の概念を明らかにし、最新の設計現状を述べる。また、特にターゲットの寿命推定において深刻な影響を与えると考えられる、水銀ターゲット中で生ずるピッティングに関する技術課題について言及する。

論文

Neutronic optimization of premoderator and reflector for decoupled hydrogen moderator in 1MW spallation neutron source

原田 正英; 勅使河原 誠; 甲斐 哲也; 坂田 英明*; 渡辺 昇; 池田 裕二郎

Journal of Nuclear Science and Technology, 39(8), p.827 - 837, 2002/08

 被引用回数:18 パーセンタイル:73.17(Nuclear Science & Technology)

非結合型(超臨界)水素モデレータについて、高い中性子性能を実現するために、デカップリングエネルギーを変えて、プリモデレータと反射体材質(鉛,ベリリウム,鉄,水銀)に関する最適化研究を行った。その結果、鉛反射体中で、最適化されたプリモデレータと、適切なデカップリングエネルギーの採用により、ベリリウム反射体を用いた場合より、高い中性子性能が得られることを示した。

論文

Optimization of coupled hydrogen moderator for a short pulse spallation source

甲斐 哲也; 勅使河原 誠; 渡辺 昇; 原田 正英; 坂田 英明*; 池田 裕二郎

Journal of Nuclear Science and Technology, 39(2), p.120 - 128, 2002/02

 被引用回数:12 パーセンタイル:60.73(Nuclear Science & Technology)

高い積分強度の冷中性子ビームに対する利用者からの要求が大きいため、2つの取り出し面を確保し、できるだけ多くのビームラインを配置できるよう結合型液体水素モデレータの設計検討を行っている。本研究では、これまで提案してきた背中にプリモデレータを共有する2つのモデレータを、より単純化した拡張型プレモデレータ付き単一のモデレータを提案し、さまざまな視点(モデレータ厚さ,プレモデレータ拡張寸法,反射体材料,パルス特性,等)からの最適化を行った。その結果、これまでの中性子強度と遜色なく、パルス特性が改善され、また工学的熱負荷を低減できることが示された。この結果は、統合計画の冷中性子モデレータ設計に反映させることとした。

報告書

統合モデルにおける結合型モデレータの核特性

勅使河原 誠; 明午 伸一郎; 坂田 英明*; 甲斐 哲也; 原田 正英; 池田 裕二郎; 渡辺 昇

JAERI-Research 2001-022, 33 Pages, 2001/05

JAERI-Research-2001-022.pdf:5.16MB

パルス核破砕中性子源開発の一環として、これまでのニュートロニクス検討及び工学的検討のもとに構築されたモデル(統合モデルと言う)を用いて、設計等に必要とされる結合型モデレータにおける核特性評価検討を行った。その結果として、次に示す有用な知見が得られた。主減速材である水素モデレータ内の総核発熱は入射陽子ビーム出力がMWあたり約420Wである。核発熱密度は最も高いところで約1W/cm$$^{3}$$である。プレモデレータの核発熱は約9.2kW/MWで最も大きな寄与である。室温から100Kの範囲に渡ったプレモデレータの温度変化は、水素モデレータの中性子特性に影響しない。中性子透過の観点から、モデレータ容器材料として6000系及び7000系のアルミ合金が有望である。また、ビーム窓による陽子ビームの広がりは、モデレータの核発熱に影響しない。

報告書

Premoderator optimization of decoupled hydrogen moderator

原田 正英; 勅使河原 誠; 甲斐 哲也; 坂田 英明*; 渡辺 昇; 池田 裕二郎

JAERI-Research 2001-016, 32 Pages, 2001/03

JAERI-Research-2001-016.pdf:1.74MB

高性能な非結合型水素モデレータの設計のために、プリモデレータ、反射体材質の選択、ライナー長さの最適化に関する検討を行った。中性子工学計算には、NMTC/JAMコード及びMCNP-4Cコードを用いた。結果から、鉛反射体下では、デカップリングエネルギー、プレモデレータの形状及び厚さを調整することにより、ベリリウム反射体下でパルス特性を凌駕することが可能であることが示された。反射体材質の選択では、鉛反射体や水銀反射体では、プリモデレータの利用により、中性子強度が増加することやモデレータ内核発熱が軽減することが示された。また、軽水プリモデレータを使用すると、パルステールが小さくなるが、重水プリモデレータを使用するとピーク強度が大きくなることも示された。中性子工学の観点から、最小のライナー長さが得られた。

論文

大強度陽子加速器計画の現状と研究構想

大山 幸夫

日本原子力学会モンテカルロ法による粒子シミュレーションの現状と課題, p.183 - 191, 2001/01

原研及び高エネルギー加速器研究機構(KEK)は共同して大強度陽子加速器計画施設の建設を進めている。本計画は、600MeV陽子リニアック,3GeV及び50GeV陽子シンクロトロン加速器群により作り出される陽子ビームを用いて、核変換実験施設,物質・生命科学実験施設(ミュオン実験施設,中性子散乱実験施設),原子核素粒子実験施設,ニュートリノ実験施設の建設を目指している。物質・生命科学実験施設における中性子利用では、減速した熱・冷中性子を用いた飛行時間法による広いQ-W領域における中性子散乱による物性研究・構造生物学研究、また、ミュオン実験では、mSR等ミュオンをプローブとして用いた物性研究等が計画されている。原子核・素粒子実験施設では、K中間子,$$pi$$中間子等の2次ビームを用いて極限状態の原子核やストレンジネスを持つ原子核の研究が行われる。ニュートリノ実験では、現在つくばで行われているK2K実験より百倍強度の高いニュートリノを用いてニュートリノ振動や混合状態の精密測定が期待されている。核変換実験施設では、物理実験施設を用いて未臨界炉心の炉特性実験や制御実験を行うとともに、工学実験施設でターゲット・構造材料に関する照射実験や液体ターゲットシステムの実証試験を行う。

報告書

非結合型水素モデレータにおけるプリモデレータの拡張効果

原田 正英; 勅使河原 誠; 甲斐 哲也; 坂田 英明*; 渡辺 昇; 池田 裕二郎

JAERI-Research 2000-014, p.40 - 0, 2000/03

JAERI-Research-2000-014.pdf:2.99MB

大強度核破砕中性子源において検討されている非結合型超臨界水素モデレータの高性能化を目指して、核的特性に関する検討を行った。計算には、NMTC/JAERI97コード及びMCNP4Bコードを用いた。計算の結果、平面型のプリモデレータをターゲットとモデレータの間に設置した場合は、中性子強度はプリモデレータ厚さ1.5cmで利得が最大になり、モデレータ内核発熱はプリモデレータ厚さ増加に従って単調に減少するとともに、パルスの時間半値幅はほとんど変わらないことが示された。これは、プリモデレータ導入が、今後の熱中性子モデレータの設計に有効であることを示す。また、プリモデレータをモデレータの周りに巻いて、中性子ビーム引き出し孔側に拡張すると、パルスの時間半値幅はほとんど変わらず、モデレータ内核発熱が軽減されることが示された。さらに、プリモデレータ厚さ1.5cm拡張長さ5cmで最大の中性子強度が得られることが示された。また、プリモデレータの反射体材質依存性として、鉛反射体の方が、ベリリウム反射体より、プリモデレータ効果が大きいことが示された。一方、ポイズンにより中性子特性が向上することが示されたが、MW級に核破砕中性子源では、ポイゾン中での発熱が膨大であることから、その使用は不可能であると結論された。デカップリングエネルギー依存性の計算結果から、デカップリングエネルギー1eVが、モデレータ特性にとって最適であることが示された。モデレータの厚さとモデレータの側面サイズ及び中性子引出し面サイズに関して検討を行った結果、モデレータサイズや中性子ビーム引出し面サイズは、それぞれ12$$times$$12$$times$$5cm$$^{3}$$、10$$times$$10cm$$^{2}$$が最適であることが示された。以上の結果をもとに、基準非結合型水素モデレータモデルを提案した。

論文

Recent progress in design sutdy of Japanese spallation neutron source

渡辺 昇; 勅使河原 誠; 甲斐 哲也; 原田 正英; 坂田 英明*; 池田 裕二郎; 神永 雅紀; 日野 竜太郎; 大山 幸夫

Proceedings of 8th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-8) (CD-ROM), p.12 - 0, 2000/00

統合計画核破砕パルス中性子源の設計開発研究の最近の進展について、中性子工学研究を中心にターゲット開発の現状について述べる。中性子工学では、ターゲット・モデレータ・反射体系の概念設計の高度化を非常に広範囲な要素別に最適化研究を行い種々の新しいアイディアの提案とともに、世界最高性能の実現に向けて迫りつつある。このような高性能をターゲット工学の立場から可能とするため、熱流動、構造・材料にわたる広範囲な開発研究が進行中で、その問題点、開発シナリオ、最近の技術的データ、解析結果等について述べる。また計画の第一期にあっては陽子ビーム出力は1MWであるが第二期にあっては5MWに増力されることが本計画の重要な柱であり、そのためにはどのような陽子エネルギー、パルス繰り返し周波数を目指すべきかを判断するための基礎となるデータを蓄積中で、そのことについても報告する。

報告書

Neutronics study on the JAERI 5MW spallation neutron source; Neutronic performance of the reference target-moderator-reflector system and the target shape/size effects

勅使河原 誠*; 渡辺 昇*; 高田 弘; 甲斐 哲也; 中島 宏; 永尾 忠司*; 大山 幸夫; 池田 裕二郎; 小迫 和明*

JAERI-Research 99-020, 33 Pages, 1999/03

JAERI-Research-99-020.pdf:1.83MB

原研中性子科学研究計画で目指す5MW短パルス核破砕中性子源で提案されている基準ターゲット・モデレータ・反射体システムの性能評価を行うため、各種モデレータから得られる冷、熱及び熱外中性子強度に関するニュートロニクス計算を行った。陽子ビーム出力(MW)当たりの中性子強度は、最も関心の高い冷中性子の場合、他の計画中(SNS及びESS)の同規模の大強度中性子源と比較して高い効率で得られることがわかった。さらに、5MWの出力では、現存するILL強力中性子源の時間積分強度で1.5倍、ピーク強度で約80倍の強度を与える結果となった。また、基準系に対するターゲット形状/サイズの中性子強度に及ぼす影響を検討した。その結果、ターゲット形状の変化は、特にモデレータのない方向の増減は、中性子強度に大きな影響を及ぼさないことが示され、ターゲットの工学的な設計上の大きな裕度を与え得ることが明らかとなった。

論文

A Conceptual design study of target-moderator-reflector system for JAERI 5MW spallation source

渡辺 昇*; 勅使河原 誠*; 高田 弘; 中島 宏; 大山 幸夫; 永尾 忠司*; 甲斐 哲也; 池田 裕二郎; 小迫 和明*

Proc. of 14th Meeting of the Int. Collaboration on Advanced Neutron Sources (ICANS-14), 2, p.728 - 742, 1998/00

原研中性子科学研究計画における5MW核破砕中性子源の概念設計について詳細に報告する。まず中性子源施設の基本コンセプトの検討にはじまり、新しいターゲット・モデレータ・反射体システムの提案、新しい高性能冷モデレータの開発、ターゲット材料の選択及び形状の最適化、ターゲット・モデレータ結合の最適化、中性子強度及びパルス特性の性能評価、欧米の競争相手の性能との比較等を行い、原研計画における中性子源が、世界最高の性能を出し得ることを示した。また技術的に最も困難と予想される冷モデレータについて核発熱空間分布を計算し、その実現へ向けての開発研究に必要な知見を得た。すなわち、核発熱密度が極めて高く、ホットスポットでは20W/cm$$^{3}$$にも達すること、これを緩和するため、冷中性子源用モデレータにあってはプレモデレータ付とすることにより約1/3に熱負荷が軽減できるなど、多くの知見をもたらした。

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